「ガマンして聴く」のが「傾聴」ではありません。
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ほんわか倶楽部・事務局の村田 敦(つとむ)です。
傾聴とは「ガマンして聴くもの」と思っている方は多くないでしょうか?
自分の内心をグッと抑えて、お相手が心を楽にしていただけるようにお手伝いしたいというのは、よく考えたら矛盾しているように思えますが、本当に出来ることなのでしょうか?
それは、自分さえ我慢していたら、あなたは幸せになれるという、おかしな構図ではないでしょうか。
これは、傾聴でもっとも重要な基本態度条件とされている「自己一致」が「自己不一致」になってしまっている状態です。
傾聴とは「話し手」さんを感じることだけではなく、同時にそのお話を聴いている「自分自身の心」もしっかり受容していくことです。
「受容」とは、「良い」と思えるところもそう思えないところも、受け止めていくことで、臭いものにフタをすることではありません。
受容して、その場ではどうこうしようとせず、そのまま置いておくのが自己一致の入り口と言えます。
「目に見えるもの・耳に聞こえるものが全てではない」と言われるように…
どんなに優しく振る舞ってくれているように見えたとしても、心の中で、どう感じているかの非言語は、どこかで透けて視えるかのように感じられます。
たとえば、心の中で否定しているのに、それを隠して肯定的かのように接しられても、それは伝わる相手には、薄々でも多くでも伝わる。
声・視線・間(ま)・言葉の端々、何より表情や雰囲気…
心の中で思っていることは、過敏になっている状態の方には普段以上に伝わっても、決して、おかしくないのではないでしょうか?
伝わっていないと思っても、それは気がついていない振りをしてくれているだけかもしれず、共感とは「伴に感じ入るように、伴に漂っていく」プロセスから、気が付けばそうなっている「状態・在り方」(Being)です。
傾聴の祖、カール・ロジャーズが述べていることからしても、「共感している”こと”を雰囲気や言葉で伝えよう」という「やり方(Doing)」優先、ありきではありません。
気がつけば自然とそうDoingしている状態になるプロセスを感じ入るのが先で、そのための入り方もありますが、決して「我慢して聴く」のが「傾聴」ではありません。
つまり、「共感しよう」・「共感を示そう」ではないのですね。そう考えるから無理が出るともいえます。
スキューバーダイビングのように、話し手の方の心の海に潜っていく。
もちろん、命綱のロープにも繋がりながら。いつでも戻って来れるように。
そうして、海の中の抑圧・温度・聴こえてくる音を感じながら味わいます。
これを傾聴に置き換えるなら、お相手の話した言葉によっては、少しあえて、じっくりと噛み締めるように呑み込みます。
気持ちや感情、うまく言葉にならない感じ(フェルトセンス)に触れる言葉、主訴に近づいていくような言葉を、すぐに反射的に返すよりも、そのイメージを、じっくりと感じとるように味わいます。
その間、「う〜ん」などの相槌や、今じっくり飲み込んでいるサインを少し出しながら、そこに立ち止まり漂う態度を示すことによって、傾聴で大事とされる「間(ま)」は作ろうとしなくても、味わっている間に発生しています。
どれだけ味わっても感覚の違いや誤差は必ずありますので、その違いを受容しながら「くり返し」や「伝え返し(○○のように感じられているのでしょうか?などの確認の質問が入る)を、丁寧にしていきます。
この、じっくり漂う態度(空気感)は続けていくうちに話し手さんにもうつり、ただ感情のまま足早に話すだけでなく、内観を促すプロセスにもなっていきます。
お相手のテンポや口調に合わせて踊るように相槌したり、さりげなくペーシングしていくときもあれば、じっくり漂うようにペースダウンさせる時もあります。
そうして、深めていく入り口に向かっていきます。
このような聴かれ方は、傾聴者の方々でもあまりする人は少なくいようですが、このように感じ入るように進めていくだけでも質は変わって来ます。
見た目的にはシンプルなことしかしていないように見えても、思考よりも感覚で味わっていこうとしたら、感じられ方が違うのが味わえるかと思います。
(分析脳で対岸の火事のように観察していたら感じ取れなくなり、分からなくなります。)
引き続き、ご精読いただきまして、誠に有り難うございました。
言葉ではなかなか分からないこととも思いますので、よければ味わいに来ていただきましたら嬉しいです。
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貴重なお時間を使って、継続してご精読いただいて、本当に有り難うございます!
お読みいただけるだけでも、心から感謝を感じています。
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新たな気づきや発見などもありましたら、ぜひ、お伝えいただければ嬉しく思います。
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